京都大学男女共同参画

意識・実態調査(アンケート)

「大学における男女共同参画推進に関する予備調査」のねらいと成果

この調査は、京都大学における男女共同参画の実現のためのアクションプラン(仮称)策定の基礎資料として、京都大学男女共同参画企画推進委員会調査・分析ワーキンググループが計画して実施したものです。学年末のお忙しい時期にご協力いただきまして、誠にありがとうございました。

この調査は、本年秋に実施予定の全学調査(仮称)のための、予備調査として企画されました。自由記述式の回答をお願いしましたのは、あらかじめ選択肢を設定して枠をはめるより、自由な見地からお答えいただき、委員会が想定していないような問題や対策などもご指摘いただきたいと思ったからです。また予備調査であるため、調査対象者は女性の教職員および大学院生に限定させていただきました。男性も調査対象に含めるべきとのご意見を複数いただきましたが、全学調査(仮称)では男性にもお尋ねする予定です。また全学調査(仮称)では非常勤職員や学部学生も対象とする予定です。その節にはまたご協力をお願い致します。

予備調査の結果の概要は後掲のとおりですが、要点を簡単に述べておきましょう。

まず回収率は全体で約9%でした。教員は18%、職員は12%を超えましたが(それも十分高いとは言えませんが)、大学院生の回収率が約6%と低迷したためです。大学院生の把握の難しさを反映したもので、それ自体が研究室単位、あるいは個人で孤立した大学院生の状況を示していると言えましょう。

設問1は女性教職員や院生のかかえる問題や障害、設問2はそれへの対策を尋ねたものですが、いずれの設問に対しても、育児支援を中核とする家庭との両立支援、および教育・研究・就業の環境整備に関することに多くの回答が集中しました。また意識改革に関するご意見も少なくありませんでした。これらの点につきましては、さまざまな具体的なご指摘やご提案をいただいています。設問3では、自由に記述をお願いし、様々なご意見をいただきましたが、特に、本委員会の活動状況など、本学の男女共同参画推進に係る取組みがわかりにくいとのご意見がありました。今後、本委員会として、ホームページを立ち上げ、この予備調査の結果をはじめ、本委員会の取組みを積極的に公表してまいります。

今回、いただいたご意見・ご提案は、本年度実施予定の(男性教職員や学生も対象とした)全学調査(仮称)や、今後策定することとしているアクションプラン(仮称)の検討の中で活かしていきたいと考えています。

今後とも、本学の男女共同参画の推進を図るため、本学構成員の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

平成18年6月13
京都大学男女共同参画企画推進委員会


設問1:女性教職員や女性大学院学生が、京都大学において教育・研究などの職務の遂行や、研究・学習等の活動を行っていくうえで、どのような問題や障害がありますか。ご自分や周囲の例でも、一般的なことでもけっこうですので、ご自由に記入してください。 設問2:女性教職員や女性大学院学生が、京都大学で教育・研究などの職務の遂行や、研究・学習等の活動を行っていくうえで出会う問題や障害を取り除くために、またより活躍できる環境を整備するために、大学や研究科にどのような仕組みや対策があれば良いと思いますか。なるべく具体的な提案を記入してください。 京都大学における男女共同参画推進に関するアンケート回答者に関する事項 職名別年齢構成 職名別子供の有無 年齢別子供の有無

大学における男女共同参画推進に関するアンケート結果の概要

男女共同参画企画推進委員会(委員長:西村健一郎法学研究科教授)では、今後実施する予定の全学的な実態・意識調査の項目の整理・検討等の参考とするための予備調査として、女性の教職員(京都大学教職員就業規則適用職員)や大学院生に対して、アンケート調査を実施したところである。

アンケート調査は、平成18年1月13日から2月13日まで、以下の設問により、無記名で書面及びEメールで行い、対象者3,454名(研修員を除く)に対し、308通の回答があった。アンケート調査結果の概要は以下のとおり。

設問1《複数回答有》

設問1:

女性教職員や女性大学院学生が、京都大学において教育・研究 などの職務の遂行や、研究・学習等の活動を行っていくうえで、どのような問題や障害がありますか。ご自分や周囲の例でも、一般的なことでもけっこうですので、ご自由に記入してください。

  1. 1.教職員、学生や患者の意識が低い(52件)
    【主な意見】
    • 指導教員の意識が低い(教員、学生)
    • 大学の雰囲気自体が、男性優位なものであると感じる(教員、職員、学生)
    • 慣例的に男性に厳しく女性に甘い風潮があるが、それに甘えている女性職員の意識の無さもある(職員)
    • 患者が女性差別をしているのではないかと感じるときがある(職員)
    • 男性の偏見と女性の甘えがある(職員)
    • 特定の業務が女性の仕事であると決めつけられる(教員、職員、学生)
    • 男性による偏った発言がある(職員、学生)
    • 意識、無意識を問わず、性差別的な発言や行動がある(教員)
    • 男性教員、男子大学院生が女性に対する理解が足りない(学生)
    • 特定の研究課題が、女性の研究と決め付けられる(教員)
  2. 2.防犯体制に不安がある(11件)
    【主な意見】
    • 女性だけで残る際、怖いので建物内のセキュリティをしっかりとしてほしい(職名記載なし、教員、職員)
    • 夜、研究室に残るとき心細い、トイレ、廊下が暗い(学生)
    • 夕方、土日など人気のないときには不安がある(学生)
    • 夜間、構内の照明が不足している(職員、学生)
  3. 3.施設等が充実していない(16件)
    【主な意見】
    • 女性用トイレが少ない(教員、職員、学生)
    • 気分転換が出来る場所が少ない(学生)
    • 屋外実習の時、着替えをする女性更衣室がない(学生)
  4. 4.女性教員が少ない(25件)
    【主な意見】
    • 男性が多いので意見が自然と多数派になり、女性の意見が取り上げられにくい(教員、学生)
    • 様々な機会で女性の参加が求められていて、女性一人にかかる負担が増えている(教員)
    • 女性研究者が少なく、身近に相談相手がいない(教員、学生)
    • 人数が少なく孤立しがちである(教員)
    • 女性院生のロールモデルとなる女性教員が少ない(教員、学生)
    • 女性教員が増えないと女性大学院生のモチベーションがあがらない(教員)
  5. 5.女子学生が少ない(5件)
    【主な意見】
    • 女子学生が少なく、男子学生との交流には気を遣う(学生)
    • 女子学生、院生が少なく、男性の考え方が主流となっているので過ごしにくい(職員)
  6. 6.採用・昇進等に女性と男性とでは差がある(15件)
    【主な意見】
    • 女性の役職者への登用が少ない(職員)
    • 女性職員の昇格が遅れている(職員)
    • 女性の教授、助教授が少ない(教員、学生)
    • 女性が昇進するためには、負担を強いられている家事、育児への影響を覚悟する必要がある(職員)
  7. 7.研究や勤務に対する評価のあり方に問題がある(4件)
    【主な意見】
    • 会議などを時間外に設定され、出られないだけで評価を下げられる(職員)
    • 超過勤務をする職員の方が評価されている(職員)
    • 研究成果によってしか評価されないのであれば,女性研究者は子供を持たない方が得だという雰囲気になる(教員)
    • 男女を問わず能力評価、処遇の改善の仕組みが必要(職員)
  8. 8.男女の生物学的性差を理解してほしい(9件)
    【主な意見】
    • 男性と仕事量、負担の平等は精神的、体力的につらい(大きな実験装置の組み立てなど女性では手が届かなかったり、力が足りない事があるなど)(職員、学生)
    • 生理休暇がとりにくい(職員)
  9. 9.配偶者の協力が得られにくい(1件)
    【主な意見】
    • 男性が育児のために仕事を調整している例はほとんど聞かない(職員)
  10. 10.セクハラ・アカハラが障害である(15件)
    【主な意見】
    • 懇親会において差別的な発言がある(学生)
    • セクハラ・アカハラ行為を受けたことがある(教員、職員、学生)
    • セクハラに対する認識が甘い(職員)
    • 男性からの差別的、性的な言動が見られる(教員)
  11. 11.旧姓使用制度の整備が不充分(5件)
    【主な意見】
    • 学籍名の旧姓の併記が認められていない(学生)
    • 旧姓使用が周囲の理解を得られなかった(職名記載なし)
    • 旧姓使用に関する情報の周知広報が足りない(教員)
  12. 12.学習・研究の条件が平等ではない(3件)
    【主な意見】
    • 安全面で配慮されたのだと思うが、女性であるがゆえ被災地の調査に連れて行ってもらえなかった(学生)
    • 海外出張など女子学生は男性とは別室をとる必要があり、費用がかさみ男子学生より不満が出て同行を遠慮することが多い(学生)
    • 野外調査などで女性は別々に部屋をとらなければならない理由で参加できなかった(学生)
  13. 13.女性同士の交流が少ない(5件)
    【主な意見】
    • 女性同士で話す機会が少なく、相談する機会も少ない(学生)
    • 女性同士の懇談やネットワークがない(教員)
    • 出産等に関して周りの例がわからないので、踏み出しにくい(学生)
  14. 14.就職が困難である(2件)
    【主な意見】
    • 社会に出てからのキャリアが描きにくい(学生)
    • 関西圏は首都圏と比べて女性の大学院修了者が就職できる場所が少ない(学生)
  15. 15.気軽に相談できる窓口がない(1件)
    【主な意見】
    • 婦人科的な病気や悩みを抱える学生が多く、学内には気軽に相談できる場所がない(教員)
  16. 16.出産・育児・介護等の支援等が足りない(117件)
    【主な意見】
    • 病児の場合、保育所は預かってくれない。休むと研究が進まない(職員)
    • 託児所や保育施設がない(教員、職員、学生)
    • 夜間保育がない。民間保育では料金も高額である(職員)
    • 育児、介護などに関して大学周辺の地方自治体との連携が必要である(教員)
    • 家庭生活のために研究を止めるか中断せざるを得ない女性が多くいる(学生)
    • 子供が就学前である場合、母親も研究者としての身分が不安定なケースが多くストレスを感じる(職名記載なし)
    • 家事、育児などで研究に費やす時間がとれない(職員)
    • 休業によるハンデがある(職員)
    • 任期制のシステムでは産休、育休の考慮がなされていない(教員)
    • 子供が体調を崩すなど育児等の突発なことで休みにくい(職員)
    • 夜勤回数が多いので子育てが難しい(職員)
    • 妊娠、出産で夜勤や立ち仕事がつらい時は勤務場所を変えてほしい(職員)
    • 育児、介護は女性にかかる負担の割合が多い(職員)
    • 職場に定時退庁の様子がないため、帰宅しづらい(職員)
    • 会議が勤務時間外に設定されている(教員)
    • 研究室に残って仕事をするのが当たり前という風潮がある(教員)
    • 残業が多く子育てとの両立が困難(教員、職員)
    • 育児休業等を取得した場合、職場を長く離れるのでブランクが生じる気兼ねして休みにくい(職員)
    • 妊娠、出産、育児中の人員補充が足りていない(職員)
    • 育休取得など、男性職員の理解を得にくい(職員)
    • 男性が育休などを取得しにくい環境である(職員)
    • 復職時のブランクを埋める援助、教育がない(職員)
    • 学生であったので出産休暇がなかった(学生)
    • 学生であるので保育施設に入れるかどうか不安であった(学生)
    • 大学院生は子育てや介護などで拘束されるケースがあるが、周囲の環境により研究の中断やあきらめなくてはならない事がある(学生)
  17. 17.相談体制が整備されていない(6件)
    【主な意見】
    • 窓口が利用しにくい(学生)
    • 職場での立場を考えて相談できない例がある(職員)
    • 上司などに相談したが対応が不十分であった(職員)

設問2《複数回答有》

設問2:

女性教職員や女性大学院学生が、京都大学で教育・研究などの職務の遂行や、研究・学習等の活動を行っていくうえで出会う問題や障害を取り除くために、またより活躍できる環境を整備するために、大学や研究科にどのような仕組みや対策があれば良いと思いますか。なるべく具体的な提案を記入してください。

Ⅰ.男女共同参画の視点に立った教育・研究及び就業の確立(基本方針1)に関する提案
  1. 1.意識改革(29件)
    【主な意見】
    • 男子学生の意識改革(職員、学生)
    • 男性教職員の意識改革(教員、職員、学生)
    • 男性教職員・学生の意識調査の実施(職員、学生)
  2. 2.施設等の環境整備(27件)
    【主な意見】
    • 防犯体制の充実(職員、学生)
    • 女性用トイレの増設(職員、学生)
    • 女性用休養室・更衣室・シャワー等の設置(教員、職員、学生)
    • 女性向け宿舎の整備(教員)
    • 食堂、図書館に女性専用席の設置(学生)
  3. 3.女性教職員の雇用・昇格のための環境整備(52件)
    【主な意見】
    • 女性教職員の積極的雇用・昇格(教員、職員、学生)
    • 登用のための数値目標を掲げる(教員、職員)
    • 多面的な業績評価の確立(勤務時間の長短に拠らない評価の確立)(教員、職員)
    • 女性センター・女性相談窓口の設置(教員、職員、学生)
    • 就職、助成金等の年齢制限の廃止(学生)
  4. 4.女性教職員・女子学生の交流促進(14件)
    【主な意見】
    • 交流会・勉強会・意見交換会等の開催(職員、学生)
  5. 5.女子学生増加のための配慮・方策(11件)
    【主な意見】
    • キャリアサポートシステムの充実、就職支援(教員)
    • 奨学金などの経済的支援(学生)
    • 研究室の環境改善(学生)
  6. 6.旧姓使用制度の拡大(3件)
    【主な意見】
    • 旧姓使用制度の拡大(学生)
    • 制度の周知・広報(学生、その他)
Ⅱ.教育・研究及び就業と家庭生活との両立支援(基本方針2)に関する提案
  1. 1.保育施設の充実等(82件)
    【主な意見】
    • 学内保育所(託児所)の設置(教員、職員、学生)
    • 長時間保育の実施(教員、職員、学生)
    • 病児保育の実施(教員、職員、学生)
    • 学童保育施設の設置(教員、職員、学生)
    • 学外保育所への入所優先制度の要請等、外部機関・団体との連携(教員,職員,学生)
  2. 2.勤務条件等の改善(75件)
    【主な意見】
    • 育児休業を取得しやすい体制整備(教員、職員、学生)
    • 職場復帰支援(職員、学生)
    • 育児期間中の勤務時間短縮制度導入(職員、学生)
    • 男性の育児休業取得促進(教員、職員、学生)
    • 事務改革等による全体の勤務時間短縮(職員、学生)
    • 柔軟な勤務時間制度の導入(職員、学生)
    • 在宅勤務制度の導入(職員、学生)
    • 勤務時間外の業務・会議の縮減や、業務改善による全体の勤務時間短縮(教員、職員、学生)
    • 介護休暇の取得促進(職員)
    • 年次休暇の取得促進(教員、職員)
    • 通勤時間短縮のための方策(教員、職員)
    • 子育て後の再雇用制度の導入(職員)
  3. 3.女子学生の育児支援体制の整備(10件)
    【主な意見】
    • 学生の出産・育児休学の導入(学生)
    • 出産・育児休学時の学費免除(学生)
Ⅲ.男女共同参画に資する教育・学習・研究の充実(基本方針3)に関する提案
  1. 1.男女共同参画に資する教育・学習・研究の充実(1件)
    【主な意見】
    • 男女共同参画に関する教育プログラムの導入(学生)
Ⅳ.性差別への敏感な対応と迅速な解決(基本方針4)に関する提案
  1. 1.相談窓口等の体制充実(18件)
    【主な意見】
    • 相談員選定方法の改善(学外機関の活用や、学外有識者の起用を含む)(教員、職員、学生)
  2. 2.性差別を未然に防ぐための方策の検討(10件)
    【主な意見】
    • インフォーマルな相談の希望を持っている場合もあるので、女性教員が日頃から、女子学生の相談に乗る姿勢を示しておく(教員、学生)
Ⅴ.教職員・学生への啓発活動の推進(基本方針5)に関する提案
  1. 1.教職員・学生への啓発活動の推進(30件)
    【主な意見】
    • 研修会・講演会の開催(教員、職員、学生)
    • 新入生ガイダンスでの周知(職員、学生)
    • セクハラやジェンダーについての周知・広報(教員、職員、学生)
    • 制度や理念の周知・広報(教員、職員、学生)
    • 提案制度の導入(教員、学生)
Ⅵ.国・地方自治体、企業や市民セクターとの連携(基本方針6)に関する提案
  1. 1.国・地方自治体、企業や市民セクターとの連携(0件)
Ⅶ.国際的な連携の促進(基本方針7)に関する提案
  1. 1.国際的な連携の促進(0件)